[書籍の紹介]毒になる親:ACかもと疑った人が最初に読むのにお勧めの書籍

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)
スーザン・フォワード (著), 玉置 悟 (翻訳) 2001/10/18

ネットで「毒親」という言葉と概念を浸透させた、その大元となる本です。
最初の一冊にはいいと思います。

この本がここまで有名になったのには「毒になる親」という、短い言葉でズバリと本質を突くタイトルの選定もよかったと思うのですが、内容はタイトルから想像されるほど過激一辺倒の本ではありません。
著者の書きぶりや挙げる例も端的、また翻訳者の日本語の選択・テンポもいいので、分厚く内容も重いにも関わらず読みやすい。

アダルトチャイルドに関する本は翻訳本も多く、どこか日本人が読むとピンとこない・・・と感じるものも多いのですが、この本は一般的な例が挙げられているので読めば機能不全家庭に育ち生き辛さを抱える人ならどこかには「思い当たる節」があると感じるのではないかと思います。

もっと具体的な困難に関して突っ込んで書かれた本もあるのですが、アダルトチャイルドの多くは、まずは自分がアダルトチャイルドであると認めることが難しい。
幼い頃から機能不全家庭だったために「それが普通」と刷り込まれてしまっているし、自分もまた「普通に愛された」「普通の家庭の」「普通の子」であったと信じたいからです。
この状態で、あまり唐突に具体的に自分の家や自分の状態についてあまりリアルに、或いは長々と描写されると、読んでいられなくなってしまう。
また、自分がどのケースに属するのかも、最初は分からない。

この本は一つ一つの事例はわりと淡々と描かれているので、比較的、ではありますが読みやすいと思います。
色々な意味でよく考えられた、読み物としてバランスのいい本です。

構成は、この手の本によくある「事例を挙げて機能不全家庭について説明した後、対処法を解説する」パターンです。
前半を読むだけでも、「ああ、自分だけではなかった」「私は苦しいと思っていいんだ」という事実に気付いてほっとすると思います。(アダルトチャイルドであることに対する否認が強い人は動揺するかもしれません)
ただしその一方で、どの本でも言えることですが「対処法」は読むとガッカリなさると思います。
「読んで、ナントナクその気になってはみたものの、結局自分の生き辛さを変える手がかりにはならなかった」と。

それはこの本の問題ではなく、アダルトチャイルドの問題は本質的に、本一冊を読んだ位で解決するほど根が浅くないからです。
この手の本をあれこれ読み、地道にインナーチャイルドワークを行って、少しずつ少しずつもつれた糸をほどいていくしかないからです。

最後の「親との対決」は、賛否分かれるところだと思いますが、私は「無理に親を許さないでいいのと同様、親との対決も無理にやらない方がいい」と思っています。
これは別の記事で改めて書きたいと思いますが、タイミングを誤れば・・・「親が少しは理解を示してくれるかも」という期待があるうちにやってしまうと・・・さらに深く傷つけられる恐れがあるからです。
あなたの親が、子どもから対決を受けて自分の非を認めたり子供の傷の深さを理解を示せるほど強い人であれば、対決など受ける前に態度を改めているはずです。その機会は、あなたが成人するまで、少なくとも20年間もあったはずなのですから。

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