[AC]アダルトチャイルドの人生は、地雷原を歩くようなもの。地雷を取り除くワークで現在と未来を変えていこう

診断名がついてほっとする心理

アダルトチャイルドの人生は、たとえるなら地雷原を歩くようなものだと思います。

たとえば、私はずっと左足の親指の根本に痛みを抱えていました。そこで「外反母趾」を疑い、外反母趾の進行を遅らせる医療用のインソールを作ってくれるクリニックを受診しました。

問診・触診を受けレントゲンを撮って待つ、というよくある流れの間中、私はよく分からない居心地の悪さに付きまとわれていました。

そして医師に呼ばれて、「外反母趾ですね」と診断された時に、心の底からほっとしたのです。

「あれ?」と思いませんか?
普通であれば、「外反母趾です」と言われたらガッカリし、「外反母趾ではないですよ」と言われた時にほっとするはずです。

こういう心理を「病気や怪我と分かると周りに大事に扱ってもらえる・構ってもらえるからだ」と解釈する人がいます。まあ実際に、風邪を引いたと妙にうれしそうに報告する人とか、いますよね(笑)。でも残念ながら私には、病気でも怪我でも大事にしてくれる家族はいませんし、外反母趾なんて、特に友人に伝える事でもありません。

親への恐怖を投影してしまう

では何故、困った状態であると分かってほっとしたのか。

私は医師から「何の異常もない。こんなこと位で大袈裟に騒ぎ立てるな。」と怒鳴られるという「恐怖」を抱いていたのです。診断を受けて初めて「足が痛くて病院に来たという自分の判断は『正しく』て、責められる性質のものではなかった」と確信出来たからです。

その医師は初対面で、普通に温厚そうな普通の医者でしたし、診断を付けるのも医者の仕事ですから「検査しても異常がみつからない状態なのに受診する患者を怒鳴る」医師なんていたら、そんなクリニックは悪評が立って潰れちゃいますよね。

では何故、そんな恐怖を抱いたのか。

医師に、父への恐怖を重ねてしまっていたからです。
人というものは、そのように理不尽に怒り出すものだと、刷り込まれてしまっていたからです。

父は、本当に些細なことでも激高し、怒鳴ったり殴ったりする人でした。子供がなにかを出来ないことをなじり、弱いこと、間違うことを許さない人でした。確かに、父なら、診断名も付かないことで「痛い、痛い」と訴えたらそのように怒鳴ったかもしれない・・・。

さらには、成人した後であれば、父にどのように怒鳴られてもそこまで恐怖には感じないし「また変な事で怒鳴って」と不快に思いながらも流せると思うのですが、私が待合室で感じていた恐怖は、私が幼少期に「自分の倍の体格を持ち、生きていく術そのものを持つ」親から怒鳴られた時の、その恐怖の記憶だったというわけです。

なぜ「地雷原」なのか

人は、長年生きていれば誰しも、トラウマのひとつ位あるでしょう。アダルトチャイルドの状況を何故「地雷原」に例えたかというと、アダルトチャイルドの場合「恐怖」などのネガティブな感情の源が幼少期にあるからです。幼少期の記憶は成人する頃には殆ど忘れてしまいます。記憶にない時期に起こった出来事によって何かトラウマが生じていても、本人は自覚出来ません。自覚出来ないので避けようもないし、自覚出来ないのにそれを思い出すきっかけ(トリガー)があると、その時のネガティブな感情がどっとあふれ出してしまいます。

さらには、トラウマがある事に無自覚であるせいで、現在の人間関係をこじれさせてしまう可能性まであるのです。

例えば。彼氏のちょっとした一言で、あなたが物凄く悲しい気持ちになったとします。実際には彼の言葉には悪意はなく、単にあなたがその一言をトリガーにして「幼少期に感じた親に対する深い怒り・悲しみ」を思い出して悲しくなってしまっただけ、というのがコトの本質であっても、その本質に気付けなければ「今こんなに悲しいのは、目の前にいる彼氏のせい」だと思い込んでしまい必要以上に彼氏をなじったり(彼氏から見たら「あなたが」理不尽なふるまいをしていることになります)、別れを決断することすらあるかもしれません。

アダルトチャイルドが平穏平和な現在と未来を生きるためには、無自覚のまま埋まっている地雷を、「自覚」のテーブルの上に乗せ、その上で癒していくことが重要なのです。

アダルトチャイルドの地雷を取り除くワーク

なにか恐怖や怒りなどのネガティブな感情がわき、そのような感情自体が「理不尽」であると感じたり、恐怖や怒りはあって当然だけれど、その度合いが「理不尽に大きい」と感じた時。

その場はとりあえず丸くおさめ、その感情は、一旦持ち帰りましょう。
そのまま相手にぶつけてしまえば、取返しのつかないことになってしまいます。

家のベッドの上など「ここなら安心してゆっくりできる」という場所で、くつろぐ体制を取りましょう。・・・内心では、あまりくつろげていなくても大丈夫です。くつろぐ体制も取り難いくらいネガティブな感情に支配されてしまっている時は、座っていても構いません。

◆アダルトチャイルドの地雷を取り除くワークの手順◆

  1. 目の前に、紙を用意します。
  2. 「何がそんなに恐ろしいのか・腹立たしいのか」を書きます。
  3. 何故?と自分に問いかけます。
  4. 理由として思いついたものを、思いついただけ書き出します。大事なのは、「こんな考えはよくない」とか「こんな理由は些細なものだ」として否定してしまわず、思いついたものを全部書くことです。ハラを立てた相手への罵詈雑言を書きなぐっても構いません。書くだけなら実害はありません。そのために、「安全地帯」に避難したのですから、好き放題に書いてください。
  5. 過去に似たような思いに駆られたことはない?と自分に問いかけます。
  6. 連想ゲームのように、思いついた過去の出来事も書き出していきます。これも、思いついたものは全部、批判も否定もせずに書き出していきます。
  7. 原体験を意識の上にあげる作業】あなたの心の中に、その「地雷」を形作ってしまった核心にあたるエピソードに突き当たったら、その出来事を乗り越えた過去の自分を、大人のあなたがイメージの中で、優しく抱きしめて「よく頑張ったね」とほめてあげてください。
  8. 過去と現在の線引き作業】今目の前にある出来事と、過去の出来事は違うということ、文章にして書いてください。私の例でいえば「理不尽に怒鳴るのは父であって、医者ではない」という文章になります。
  9. 無力だった子供時代との線引き作業】大人である自分は、たとえ理不尽な目に遭っても対処が出来るということを、文章にして書いてください。「理不尽に怒鳴る医者がいたら、そんな医者にかかり続ける必要はない」
  10. 新しい考え方を馴染ませる作業】8と9は、気持ちが落ち着くまで繰り返し書き、また繰り返し読み上げてください。一旦気持ちが落ち着いても、嫌な気分がぶり返してくることがあります。その時もまた、繰り返し書いたり読んだりしてください。

最初は、4あたりで止まってしまってその続きには進めないかもしれません。それはおかしいことではありません。人は大抵、過去の辛い出来事にはフタをしています。過去の、特に幼少期のトラウマ体験は、そう簡単には意識に上ってきてくれないのが通常です。
でも、ネガティブな感情がわくたびにこのようなワークを地味に繰り返していくと、だんだんとそのフタが緩んできて、色々な事を思い出し始めます。

ヒトは過去は変えられませんが、現在の感情を「どう扱うか」を変えることは出来ます。

トラウマはひとつではないので、作業は膨大ではありますが、色々な「地雷」に対して8~10まで到達できるようになると、だんだんと、理不尽な感情に振り回される回数や振れ幅が、小さくなっていきます。そして次に似たような場面を乗り切らなければならない際には、既に心の整理はついているので10を行うだけで、かなり冷静になれる自分に気付くはずです。

地味で即効性もないワークですが、苦しんでいる人がいたらぜひ試してみてください。

LINEで送る
Pocket