虐待被害者は副次的に誤解を受けることがある

主治医は内科系にも詳しい医師なので、うつ病の治療時に頻繁におこる喉の痛みについても相談してみた。

子供の頃から扁桃腺炎などあったかと聞かれたので
症状から言えば扁桃腺か咽頭炎、こじれると気管支炎になっていたと思うが
「子供の頃は病院に連れて行ってもらえなかったので、診断名はついていない」
という話をして、その時の表情から

子供が38度を超える熱を頻繁に出していても
夜通し眠れないほどにせき込んで、それが何日も続いても
咳をしない日がないような状況であっても
これらの結果、毎学期、何日も欠席する状況が続いても
なお病院に連れていかれないのは

異常であったのだなと気付いた。

私の実家では、「心配」をかさに諸々の行動制限をかける一方で
病気や怪我は「心配」してもらえず、
「薬に頼ると弱い子になる」「そんなにひどいとは思わなかったから」等
後から振り返れば白々しい理由をつけて、病院には連れて言ってもらえなかった。
こじれてしまってから「病院に連れて行ってください」
とお願いして初めて連れていってもらえるか、もらえないかだった。

そしてさらに気付いた。

中高生の頃、私は頻繁に風邪で学校を欠席していた。
そして、治療を受けなかったせいで慢性化した捻挫で頻繁に部活を見学していた。

教師からは不登校気味の子とみなされていたらしいのを知っている。
ハッキリと「アンタ不登校」とは言われなかったが
教師が親に「大学に行けば元気に通うようになる」
と言ったらしいことを伝え聞いていたし、
成績は中位位は保っていたのだが、教師陣の態度は一様に冷淡だった。
・・・教師に懐くような子ではなかったから、可愛がられはしないタイプだったと思うが
それを通り越して冷淡だった。

大学生になったからといって突然風邪を引かなくなることはあり得ない。
当時は「何もわかっていない、ひどい教師だな」と思っていた。

違う。

咽頭炎だの扁桃炎だの気管支炎だの、そういう診断名や診断書を持ってくることなく
ただ「風邪です」と言っては学校を休み。

ギブスをはめているのを見かけたことはないのに
ただ「捻挫です」と言っては部活を休む。

サボっていた、と思われていたのだ。

他にも、制服の目立つところに取れないシミがついてしまっても
制服を買い直してほしいと、とても言えない家庭状況だったために
・・・そんな事言ったら、なんで汚したのかと罵られる。
そして親はそれに気づかないか、気付いても放置していた。
長らく、制服の目立つところにシミがついたままの制服を着ていた。

クラスメイトに「それ、洗わないの?」と聞かれたこともある。
大抵の子は、気付いていて言わなかったのだと思う。
言わずに私に「だらしない子」のレッテルを貼っていたのだと思う。
それくらい目立つシミだった。
洗っても取れないし、買ってももらえなければ、それを着るしかないのだ。

虐待のある家庭では、普通の家庭とは違うことが起こる。
けれど子供は虐待されているからそういうことが起こっているのかの核心部分を
知らないか、気付いていても外の大人に言うことが出来ない。

結果、要らぬ汚名までかぶることがあり
家庭内で起こっていることに加えて家庭外の評価まで下がり

自己肯定感が削がれていく。

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