ニュースより:障害のある40代、5割が親と同居

 障害のある人は、40代の5割、50代でも3割弱が親と同居していることが、障害者福祉施設の全国組織、きょうされん(東京)の調査で分かった。

 調査は障害者総合支援法に基づく福祉サービスの利用者に対し、2015年7月から16年2月までにファクスと郵送で行い、1万4745人から回答を得た。障害の内訳(重複あり)は、知的65%、身体27%、精神25%、発達7%、難病1%など。

 「誰と暮らしているか」(複数回答)には、55%が「親」、23%が「きょうだい」と答えた。グループホームや入所施設で暮らす人は「友だち」にカウントし、28%だった。親と暮らす人を年代別に見ると、40代前半以下は5割を超え、50代前半で35%、同後半でも19%だった。

 調査では生活保護受給者を除く回答者の61%が年収100万円以下(年金、手当などを含む)だった。さらに98%が「ワーキングプア」と呼ばれる同200万円以下で、障害がある人の自立生活が難しい実態が明らかになった。

(大手小町:読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20160905-OYT8T50053.html)

身体障害の場合は、障害に合った職場に巡り合えれば会社員として収入を得、足りない分を障害年金で補うことで自立・・・ということも可能なのかもしれません。
身体障害や知的障害であれば働いたからといって障害等級が変更になることもありません。

それでも自立は困難なのでしょうが、うつ病である場合、自立はもっと困難です。

うつ病の場合、「日常生活が著しい制限を受ける」レベルが2級で国民年金の場合は7万程度ですから、これにプラスして働いたとしても、短期・単発のバイトや作業所では2,3万稼げれば御の字というところでしょう。

とても一人暮らし出来る額ではないし、障害年金はそのようには設計されていないということです。

さらには、うつ病の場合は2,3年ごとに再審査がなされ、「3級相当」と認定されれば、年金はゼロです。
今は2級を受け取っていても、2,3年ごとに行われる審査次第でゼロになるわけですから、その7万程度の年金すら「もらえるもの」として生活を組み立てるわけにはいかない。
ちなみに、3級は「労働が制限を受ける」レベルです。とてもフルでは働けない病状のうちに、支援は打ち切られてしまうということです。

とても一人暮らし出来る額ではないし、障害年金はそのようには設計されていないということです。

つまり、難治・重症のうつ病患者(特に、発病当時に国民年金にしか加入していなかった人)は、家族に養ってもらうしかないということです。
日本には生活保護制度がありますが、生活保護も「養ってくれる家族」がいれば支給されない仕組みになっています。

・・・家族和気あいあいで、家計も潤沢で養う親の側にも老後資金の不安はなく、うつ病の当事者が
「あなたが大好き!!いつまでも一緒にいてよ!」
と居場所を与えられている。
そんな家庭なら、わざわざ一人暮らしをする必要はないのでしょうが

長い闘病生活で知り合ったうつ病患者達の家庭では、家族関係が大抵よろしくない。
無理からぬことです。
元々毒親で子供が追い詰められてうつ病を発症・・・というケースもありますし、養う親に偏見があって子供が「ただダラダラしているだけ」「恥ずかしい」と感じていることもありますし、多くの家庭では、成人した子供をいつまでも養えるほど豊かでない。
周りが孫フィーバーで沸く中、自分の子は働きもしない引きこもって老後資金を食いつぶす。そんな子供を疎ましく思ったとしても、それは無理からぬことです。

つまり、重症・難治のうつ病者は、居場所が無くても罵られても、親を貧困や不幸に巻き込んでいると知っていてもなお家族にしがみついて養ってもらうしかないということです。
老親が「子の将来を心配して」子殺しに走るという痛ましい事件も起きています。

出生前診断が話題になっています。
出生前診断で異常が確認された胎児の97%は中絶されるそうで、倫理面で問題がないのかという議論があります。
多くの家庭では、障害児を産むということは「障害児を受け入れて育てる」という美しい話、倫理的な話だけではなく、家計の破たんを意味する中で倫理を語っても、当事者を追い詰めるだけだと危惧しています。

家族単位での福祉をやめて、どうかどうか個人単位の福祉を考えてほしいと切に願わずにはいられません。
どうかどうか、障害があっても自立して生きていける社会になってほしいと、願わずにはいられません。

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