長患いに苦しむ、私へ。そしてあなたへ。

私はうつ病を発病してから「うつ病であることをなかったことにしたい」と思って生きてきました。

だって。引かれちゃうし。

私が患ったのは休職し辞職し、しばらくは無職で療養に専念する以外どうしようもないほど重いうつ病だったので、職場や親しい人達には話さないわけにはいかなかった・・・。

でも。重い鬱ほど、引かれちゃうし。

うつ病は治る病気と聞いていたから、いつか治った日にはうつ病だったなんていう過去は無かったものにして生きていきたいと思っていました。

無理だと知っていても、時間を巻き戻したいと思い詰めていました。
あんまり隠し切れる病状ではなかったのですが、それでも隠せる人には隠したい、履歴書上のうつ病のブランクもなんとか誤魔化したいと思い詰めていました。
無理して仕事をしてみたり、何年もかかるような資格試験を勉強していることにしてみたり。
苦しいと大泣きしていても、ひとたび家のドアを出れば笑ってみせました。
飲み会に行けば、食事が一口も喉を通らなくても、皿に適当に食べかけっぽく食べ物を乗せて、楽しく飲み食いしているように見せかけました。
勿論、他人の前で鬱々・イライラのままにふるまうのがいいとは思わないのですが

・・・嘘が、多くなっていくんです。

元気?と聞かれて「元気」と答えることすら「嘘」になる体調。
本当は体調不良で誘いを断るときに「仕事で忙しくて」「別の用事があるの」。
・・・この間はなんと言い訳したっけ?

そんな嘘は、罪のない嘘に属するのかもしれないけれど、重なっていくと息が出来なくなっていく。

そして一度も寛解も軽快もしないまま15年もの月日が流れて・・・

周りは仕事でも中堅やベテランになり。
家庭も築いたり築かなかったりしながらプライベートでも色々な体験を積み重ねてきていて。
人間関係も豊かに構築する。

そんな年代にさしかかっても、私には、なにもなかった。

うつ病という厄介な病気にかかり、日々日々苦しみと戦い、不安定な体調に振り回され。
仕事を失い、夢を失い、家庭を築く機会を失い、人の逆境に付け込もうとする輩とも対峙し、
何度も人生の方向転換を迫られ、何度も人生に絶望して

・・・それでも、生きてきた。

鬱々して、イライラして、ひとに当たってしまったこともあった。
結果去って行ったひともいた。
そんな、病気がゆえに「やらかしてしまった」ことの結果をも引き受けて、それでも生きてきた。

それこそが私の人生であって、私からこの「うつ病」であるという要素を消してしまえば

私には、ペラッペラの言い訳以外、なにも残らないと気付いた。

もうよくない?
もう、治らない。
治る日がくるとしても、闘病の日々は、なかったことになんかならない。

もう、隠したくない。
ずっとずっと、押し殺してきた。
私の中の、一番頑張ってる部分。一番褒めてあげたい部分。

うつ病と知られて、こんなに重い病状であると知られて、結果殆どの人から引かれてもいい。
私はうつ病であって、そういう人は「うつ病である私」とは相容れぬ人。

引かない人が、ほんの少し残ればいい。

私の人生はそれでいいと、もう認めてあげてもいいんじゃないかと思ったんです。
他人の前に、他でもない私自身が、うつ病であり続ける自分を恥じていたのかもしれないなあ。
だけどもう、うつ病である自分も、うつ病ゆえに「ふつう」には生きられない自分をも、許してあげてもいいんじゃないかと思うんです。

病気によって「なにもない」人生を送ってきた私でも、私と同じように、うつ病に・・・。それだけでなく、双極性障害、統合失調症・・・もっと他の身体の疾患であっても、長いこと患って、そのことで「ふつう」に振る舞えないことに苦しんできた人がここを訪ねてきてくださったなら、「そんな自分ごと認める生き方を、一緒に探しにいきませんか?」って・・・そんな「旅」にお誘いすることは、出来ると思ったんです。

私にもまだ、その境地は見えないのですけど。

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